「立ち止まる勇気」を教えるまでに、私は何度も泣いた

焦らないのは、本人じゃなくて親の方が怖いから

うちの息子・ハル(仮名)は、昔からマイペース。
やればできる。でも、やらない。
目の前の課題より、のんびり朝の空を眺めているような子です。

私は何度も思いました。
——どうして焦らないの? どうして私ばかりこんなに不安なの?

一緒に机に向かっても、ハルは落ち着いているのに、私は心の中で時計ばかり見ている。
「間に合うの?」「このままで大丈夫?」と、頭の中がノイズだらけ。
心配しすぎて、夜中に目が覚めることもありました。
子育てって、子どもの成長よりも、親の不安とどう向き合うかの方が大変かもしれません。


「最後までやらせろ」という祖父と、「引く勇気」を選んだ母

そんな中、父(ハルの祖父)はきっぱり言いました。
「やり始めたなら最後までやらせろ。途中でやめたら根性がなくなる。」

父の言葉にうなずく自分もいました。
私もかつて資格勉強をしていたとき、最後までやり抜くことの大切さを痛感したからです。
でも同時に、無理をして心が壊れかけたあの夜のことも、忘れられません。

私は思いました。
——子どもに“やり抜く力”を教える前に、“限界を知る力”を教えるべきなんじゃないか。

そして、私はハルに言いました。

「やめるっていうのは、逃げることじゃないよ。
今の自分をちゃんと見ることなんだ。
その上で、“次に何をするか”を自分で決めるのが、責任なんだよ。」

彼はしばらく黙って、そして小さくうなずきました。
そのうなずきに、私はほっとしながらも、胸の奥がきゅっと痛くなりました。


「これでよかった」と思えなくても、それでいい

正直に言うと、あの決断の後もしばらくは心がざわざわしていました。
SNSで、同年代の子が目標を叶えたという投稿を見るたびに、胸の奥がチクリとする。
「やっぱり続けさせるべきだったのかな」と、夜中にひとりで泣いたこともあります。

でも、ハルがゆっくりと机に向かう姿を見るたびに、少しずつ気持ちが変わっていきました。
焦っていた頃より、今の方が表情が穏やか。
朝の勉強を終えて「今日はここまで!」と笑う姿に、
“ああ、この子は自分のペースで生きているんだ”と気づかされたんです。

子育てって、親の不安を手放す練習の連続なのかもしれません。


「やり抜く力」と「見直す力」はどちらも強さ

祖父のように“やり抜く力”を信じる人もいれば、
私のように“見直す力”を信じたい親もいる。
どちらが正しいという話じゃなくて、
子どもの心のタイミングに合った選択が、その時の正解なんだと思います。

大人になってからの資格勉強でも、自分探しでも、
ときには立ち止まって、方向を変える瞬間が必ずあります。
そのたびに人は、自分の限界と可能性を同時に知るんですよね。


まとめ:焦る心もまた、子育ての一部

今でも不安がゼロになったわけじゃありません。
でも、焦るのは「子どもを思う心」がちゃんとある証拠。
その不安を責めずに、「私は今、ちゃんと親をしている」と認めてあげようと思います。

子育ても資格勉強も、自分探しも、すべては“途中の物語”。
立ち止まることも、後戻りも、ぜんぶ意味がある。


あなたへ

もし今、子どもが思うように頑張らなくて不安になっているなら、
まずはその“不安な気持ち”を無理に消そうとしないでください。

焦る親の心は、子どもを思う愛情そのものです。
そして、愛情は必ず形を変えて届いていきます。

少し立ち止まって、自分のペースで。
あなたの子育ても、あなた自身の自分探しも、
きっと今、静かに前に進んでいます。

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